国際郵便のトラブルと聞くと紛失や破損、盗難などが浮かびますが、一番多いもの、それは「放置」ではないかと思っています。通関で再チェックのため弾くことから、不在、宛名不明、少しでも配達がスムーズにいかなければ、とりあえず後回しとなります。
日本人の常識では後回し=責任もって後で処理ですが、後回し=誰かやるだろうという国は多いです。日本が別格でむしろ「放置」が世界の常識と思うくらいです。
荷物が配達されない場合、まずは追跡番号で調べると思いますが、何日も動かない場合は「保管」と出たりしますが、「放置」に名称変更して欲しいくらい動かなくなることもあります。日本では「棚上げ」を先送りの意味で使いますが、郵便作業から派生した言葉なのでしょうか?本当に棚の上に置いて放置されていることはよくあります。
「調査請求」なんて大袈裟に言いますが、棚を見て解決したんだろと想像してしまいます。実態は「調査請求」=「放置した荷物をなんとかしろ」です。調査請求をした途端「配達完了」となることも珍しくありません。
調査請求書は6カ月以内
ここで忘れてはいけないのは調査請求は6カ月以内という事です。6カ月を過ぎてしまうと「もう、あきらめています。探してなんて言いません。」となってしまいますので注意が必要です。それに時間が掛かればかかるほど覚えている局員が少なくなります。調査請求は早く動くことにこしたことはありません。
では、どれくらいから請求準備に入ればいいかというと日本郵政には配達日数の目安が記載されています。この時期を過ぎれば「探して。」と言っても問題ないでしょう。https://www.post.japanpost.jp/cgi-charge/
入力は品種、重量、発送地、到着国、都市だけ、簡単です。料金を調べるのでなければ、それ程正確に入れる必要はありません。
荷物を出した郵便局に調査請求書
いざ実行となったら下記のページで記載方法の確認と用紙のダウンロードが可能です。
全国の郵便局で国際郵便を出すことは可能ですが、トラブルの事を考えると出先などで出すのは止めて、なるべく家の近くの決まったところで出すことにしておいた方が無難です。調査請求書も本局はどこからでも出すことが可能(回答は扱い郵便局から)な筈なのに「提出先は荷物を出した郵便局です。」と平気で言われたことがあります。扱い荷物でないのに後処理だけをやりたくはないという気持ちも分からなくはないです。何より余計な事で力を使うとただでさえ調査請求はストレスがかかるものですのでイライラで疲れが倍増するのであきらめ従いましょう。
受取人との協力が効果的
海外の郵便局も日本人はマナーが良いと考えているので後回しにされがちです。責任逃れをさせない、矢面に立たせるのが一番効果的です。調査請求書を出しただけでは放置が続くことはよくあります。荷物がどこにあるかわからない場合は本当の調査ですので別にしてある程度判明している場合は受け取り側でも動いてもらうことが必要です。むしろ、直接交渉することの方が効果的で調査請求は補助的な役割となることも多いです。
<日本側>
◎郵便局に問合せする際は必ず担当者と受付日を確認
◎手続き後の催促は国際郵便局に直に連絡(郵便局もここに聞いてるだけ)
◎調査期間の期限を決め、棚上げにされないように
◎いつメールやFAXしたか教えてほしいと伝えましょう(意外に日本から送るのは遅いです。)
<受け取り側>
◎日本から調査請求していることを伝え、日本、現地の両方から問い合わせる
◎受取人が海外在住の日本人ならローカルに依頼(交渉力、押しは必要です。)
◎見つからなければ「紛失確定の回答」と「損害賠償」をしてもらう予定であることをきちんと伝える(ただ「探して。」とは大違い)
損害賠償兼郵便料金等返還請求書
残念ながら見つからない場合、損害賠償の手続きに移るわけですが、その為には紛失であることを局側に認めさせ紛失であることを確定させなくてはなりません。相手国から紛失との回答があれば問題ないですが、「回答がない=紛失確定」を認めたがらないケースは意外に多いです。「海外なので問い合わせの回答に時間がかかる」が常套句ですが、調査請求の次の対応や期限を切れることをを知っておくと先方へのプレッシャーにもなります。