「国際郵便の危険物申告書」が義務となりその後どうなったのか?

「国際郵便の危険物申告書」は、危険物として発見・差し止めとなった事例数の多いものを発送前に確認しなさい。そして「今回発送の荷物には同梱してはいない」とのチェックをして申告しろというものです。いわゆるブラックリストで日焼け止め、香水、マニュキアなど日用品の中で勘違いしやすいものを列挙しています。

 

海外からの買い物に対してハードルが下がり、海外在住日本人も外国人も日本製品を購入する機会が増えたことは喜ばしいのですが、企業の輸出入業に比べて個人での越境の買い物は危険物・禁制品への認識が低いため、トラブルが止まらずこのような処置になったのではないかという事は容易に推察されます。発送側への注意喚起という事なのでしょうが、半年経過してその効果の程はどうなのかという事を考えてみました。

 

①個人で仕送りをする場合

差出人=依頼者となりますので、実際に郵便局へ行って「国際郵便の危険物申告書」を手続きされる方はひと手間増えますし、差し戻しは嫌ですので気を付けることもあるでしょう。一定の成果はあがったのではないでしょうか。

②ネットショッピングの購入者

海外からの購入の殆どの場合は代理で発送するため、実際の購入者が気を付けるという事はまだまだ少ないです。現状は発送会社でチェックを入れるということになりますが、そこまでの作業はできない会社も出てきています。

③ショップ側

発送の際のインボイスの書き方等の情報が出ているお店は殆どありません。「海外発送はできない」事をわざわざ書くことはないでしょうが、「発送可能」な場合、詳細を記載することで安心して購入することができるかもしれませんがいまのところ未対応です。国際郵便には絶対はありませんのでたとえ発送可能な場合でも万が一の事態でのクレームのリスクバランスを考えると記載はしないとの判断になるのかもしれません。

④郵便局

「国際郵便の危険物申告書」の記載を差出人に求める割には、日本郵政のホームページから用紙がダウンロードできなかったですが、こちらのページからようやくできるようになりました。EMSで書類のみ出す場合も「国際郵便の危険物申告書」の提出を求められましたが、これもなくなりました。徐々に使い勝手はよくなってきています。ただ、担当者に質問しても「決まりなので」「聞いてきます。」との返答が多く、新しい試みに対して職員にフィードバックされているのか甚だ疑問です。

 

今のところ代理発送人である海外転送サービス会社に多少の動きは見られますが、「国際郵便の危険物申告書は自己責任です。」や「禁制品を再度ご確認ください。」など利用者へ自社免責をアピールする後ろ向きなものばかりで「検品を強化しました。」などの積極さは全く見られず残念です。

越境ECで急激に扱い量が増え転送会社自体も増加したため、現在、海外転送サービス会社は価格競争の真っただ中にあります。大手の転送会社はネットショップ、ネットモールと連携し利便性を上げ差別化を図っています。中小は逆にサービスの質という面でチャンスかもしれません。

海外に送れずに処置に困り、一定数は新品にもかかわらず破棄されているという現実もあります。利用者は返送となり実害を被る前に価格だけでなくサービスの中身も吟味して賢く選択することが迫られます。

  

が、3年前に比べると適正価格を維持することは難しく手数料を下げ、その分を数でカバーする方針の会社が多く、必然的に流れ作業になる為、そこまでの確認はできない会社も出てきています。確認は購入者の責任と明示するところが出てきています。

結局は郵便局から返送されて初めて気を付けるという形は大きく変化してはいないようです。

最終的には販売するショップも含んで交通整理をしなくては解決が難しい問題ではありますが、転送会社を挟んでいる場合、郵便局

 

 

一定の割合で国内転送への切り替え、発送作業はショップと連携していますので返品なども含め協議して利用者が不利益を

郵便局側からすると「毎回毎回いい加減にしろ」という気持ちも分かります。転送会社の立場からすると「買い物をする時点で確認してくれよ~」

 まだまだ意識づけは難しくと転送会社実害

大手の転送会社がショッ「国際郵便の危険物申告書」プに対して申し入れをすることを期待するしかないのかもしれません。

EMSは、書類用と荷物用に扱いが分かれています。実は「国際郵便の危険物申告書」は、全ての海外郵便の受付に際しとなっているので

 

フィードバックもない、罰則規定もないでは、形骸化してしまう恐れは十分にあります。